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本記事は上記連載の第4回です。
前回は、完璧な人事制度などない。従業員全員が満足する人事制度などないのだから、自社の経営目標達成に適した人事制度を選びましょうというお話をしました。
今日は具体的に人事制度を作っていくというフェーズになります。
人事制度作成に当たっては、大きく3つのステップに分かれます。
1.方針設計
2.人事制度設計
3.制度浸透、行動変革
です。
この中で一番大切なのは方針設計です。
制度を作るぞとなって、まず等級はどうする?とか報酬をどうしよう?とか考えると何をどうやって作ればいいのか判らなくなってしまって立ち尽くしてしまうことになりかねません。そのため、まずはゴールを設定することが必要なわけです。
大阪に住んでいる人が東京に旅行に行くぞ、ということを決めてはじめて、「新幹線に乗るか」「バスを使うか」「飛行機を使うか」と言うことを決められるわけです。
しかし、「新幹線は省エネで安いし時間に正確だ。一方バスは最近事故が多くて危ない気がするし、飛行機はなんか怖い。だからまず新幹線に乗ることを決める」としてしまうと、西行きの新幹線に乗って博多に着いてしまったり、新幹線に似ているからと言ってサンダーバードに乗って金沢に着くと言うことが起きるわけです。
誰よりも早く確実に省エネで金沢に着いたところで、自分が行きたいところにつけなければ意味が無いわけです。
それに、人事制度を作るのはやはり大きなプロジェクトになってきます。そのため、最初にゴールを決めておかないと、途中で「東に行けば良いんだからやっぱり名古屋で良くないか?」とか「いやいや、もっと東に行こう、東北を目指すべきだ」とかいう議論になりかねません。
だから、まずゴールである求める人物像の設計をしていきます。
次にするべきは、現状の分析です。今はどんな制度で、どんなレベルの人が何人居て、どんな問題があるのか、などを分析するわけです。
そして、現状と目標のギャップがどれぐらいあるのかということを明らかにしていきます。
次回は、人材要件の設計に入っていきます。